金輪富士 ③
ジィっとして食べとると、だんだん身体が冷えてきました。そこで、ポットの暖かいコーヒー。さっきまでの急坂を下りるんかと思うと、大儀ぃ気分じゃが、実際に歩を進めてみると、そうでもない。割と行けるで。そんなことを思いながらやうやう、たどり着いた114コブ。岩の向こうがたぶん、よじ登ってきたルートという感じがしましたが、違うとったんじゃろの…。
さて、ここから左に折れていきます。ルートらしきものを探しさがし進んでいくと、何とか道らしきもの。それをたどりつつも、尾根すじを外さぬよう心がけて下りていきます。やがて、ちょっと難しい道をたどって、浜へ下り着きました。正面にプリンスホテル広島が見える砂地はちょっと歩き難いけど、サクラ貝を拾いながら…。
北端の岩場は、どうも難しそう。「確か、山手へ上るところがあるはずなんじゃが…」と探してみると、あった。カン木に覆われとるけど、道らしきもの。それをたどって急坂を上って行くとやがて、尾根に乗りあげてまもなく、舗装道。ネット情報で見覚えのある、古廃車がいくつか投げられとる風景。ここじゃて。
ここを道なりに北へ、たどって行きます。すると、想定していたより早く、金輪島トンネル入口に到達。時刻は、13時18分。すでに12時30分は諦めて、14時00分発の便にすることに決めていたので、北回りできんこともないの。じゃが今日は、まっすぐトンネルを歩こう。そう思って、歩いていると、向こうから近づいてくるクルマイスらしき影。
やがて、近づいてきたのは女性。あいさつを交わして、山に上ってきたと言うと、「今日は寒かったでしょ」との応え。「いや、歩いとる間はちょうど良かった」と返して、すれ違います。さてと、船までにはちょっと時間が余るの。よし、北ルートを逆に、途中まで歩いてみむと、工場の横を通りぬけて、小さな漁船桟橋まで行ってみました。
ここで、ひと休み。対岸に見える宇品の風景をチェックしながら、しばし…。さて、定期船の桟橋まで戻らむ。さっきのトンネル出口を過ぎて、桟橋に着いたのは13時30分。おっ、それらしい船が待機しとるで。これでエエんかのと思っていると、乗客と思われる人たちが乗りこんでいくので、間違いなかろうと乗りこみます。
やがて定刻になると、エンジンを噴かせて出発。森山や絵下山などを眺めながら船は進んで、市営宇品桟橋に着きます。さぁ、バス停へ向かうぞ。ところが、目的の元宇品口バス停は、下り方面にしかありません。おかしいのぉ。左右を、ようよう見渡してもないで。こりゃぁ、誰かに聞いてみにゃぁ分からんの。
♎ つづき:金輪富士 ④
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