籐ノ木山 ④
やっぱり、こっちが正解じゃったんじゃの。そう思いおもい、ユル坂を下っていくと、崩落した土砂の溜まった河原に出てきました。はて、どっちに行ったらエエんじゃろ。ここで、コンパスチェックしてみます。すると、どうも北方向は左。まともなルートは見当たりませんが、そちらへと歩き進めてみます。するとやがて、埋まった砂防堰堤。
左右どっちかには、山道があるかもしれんの。そう思うて、まず、左へ行ってみます。トゲのある草がジャマをしますが、かき分けて進みます。じゃが、左岸にはそれらしい道のようなものは、見当たらんの。せうがない。右側か。さっきのトゲ草がじゃま。じゃが、何とかそれを踏みつけて乗りこえ。右の段差を上りあげてみます。
山際まで行ってみると、ありました。道のようなもの。これなら行ける。途中かなり、草っぽいところもあったけど、何とか山道が続いとるで。そして、右側にあった道路へ乗り上げます。ふり返ってみるけど、入口はさっぱり分からんで。ま、今日のところは、とにかく下山。途中にあった次の砂防ダムんらしきところで、休息。
靴に溜まったゴミを出して、クマ鈴もしまいます。そこから、左右にポツポツとある墓苑やりすごしつつ、ズンズン下りていくと、藤ノ木山登山口が、左に見えてきました。さぁ、往路に入るで。大回りしたりせんよう、コースを確かめながら歩を進めます。長い距離じゃったがやがて、熊野役場前バス停にたどりついたのが、14時28分。
時刻表をチェックすると、次のバスは14時55分。よし、今日はゆったり、山歩きデータの書き出しをせむ。ところが途中、通りすがりのオバぁが、ジャマをする。まぁ、どういうこたぁなかったの。彼女が持っていた花束の、小さな一輪を落としていったけど、こちらもそれを拾うこともなく。やがて、やって来た田舎時間のバスに乗って、地方「都市」へと戻ります。
♑ :(了)
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