湯来冠山 ③
勾配もやや急になり、それまで蛇行していた登山道が、九十九折れに近くなってきました。下草は、これまでのシダからクマザサにかわって、延々と続きます。それにしても、草についている露で、靴の中まで水っぽくなってきました。なかなか着かんのと思いながら、上り続けて、大きな倒木の下を潜ってようやく、稜線への乗り上げ。
時刻は、11時33分。山頂到着予定は11時56分。あと23分で、行けるんかの。前方上方右側にピークが見えるけど、あれが冠山かの。いまひとつハッキリせんで。勾配がやや緩んできた山道を、「ま、とにかく行きつくところまでじゃ」と上って行きます。クマササは続きますが、ルートはスッキリしています。
じゃが、ときおりヤブっぽいところもあるので、さらに脚が濡れる。もはや今さら、せうがない。「毒を食らわば皿まで」というヤケクソな気持ちを抱きつつも、それでも山頂でスパッツを着けようと考えます。この上り途中では、着ける気にはならんの。ま、上りでは、皿まで食おうて。そして、下りで大人の対応といくか・・・。
山頂に近くなると、急登に。トラロープが張られています。足元が濡れ落ち葉で滑りやすくなっているので、大いに利用させてもらうことに。そして、何とか乗り上げた湯来冠山山頂。少し前からパラパラ降り出した雨。さっきから白いものが草や倒木の上に、ところどころチラチラ残っていたけど、空からアラレのような白い粒が・・・。
その上、山頂は林の中ですがスカスカなので、風がまともに当たります。気温7.0℃、湿度43%で、寒い。オムスビを食べおえて、ホットコーヒーを飲みます。身体は温まりますが、指がかじかんで、うまくボタンがはめられんで。それでもこの昼食休憩、後からタイムチェックしてみると、20分じゃった。案外長うおったんじゃの。
さてと、下りはさらに滑りやすい。ロープをつかんでいながら、尻もちを何度か。ついた手の軍手に、冷たい雪がしみこんできて、指が痛いこと。こりゃぁ、ダメじゃ。しばし、手袋をはずしておこう。じゃが、やっぱり素手ではちょっと冷えるの。そこで、残雪がなくなったあたりで、街用にしている手袋を着けることに。
これで何とか凌げる。山頂を出発したのが12時33分で、予定より15分の遅れ。こうなったら、ペースアップして下山しようで。まともに復路をたどっとるのか、若干の不安を抱きつつも、歩を進めます。するとそのうち、上りで覚えのあるところを、いくつかチェック。そして、ようやく稜線標示板に。
♐ つづき:湯来冠山 ④
「西部」カテゴリの記事
- 吉和冠山 冠高原入口~汐原温泉 ④(2022.08.11)
- 吉和冠山 冠高原入口~汐原温泉 ③(2022.08.10)
最近のコメント