高森山～風呂ヶ谷山 ⑤

　これを何とか乗りこえると、ガレは多くて歩きにくいけど、何とかまともな山道に。やがて、左に曲がって幅狭の草道へと入ります。草に隠れた段差を測り間違えて、バランスを失いそうになりますが、何とか持ちこたえて、「カキの木」下山口に到達。林道へ向かっていると、あいさつの声がかかります。

　その声の主を探してみると男性。地元のひとらしい。しばし、今まで歩いてきたコースのことで、談義になります。「道が分からんかったじゃろ」という問いかけに、「それでも、ルートはハッキリしとったので、歩き通すことができた」と応えます。さらに道路に下りて、山歩きバージョンを解いていると、声をかけてくる人。

　どうも、地元の人とまちがえたらしいのですが、それでも対話に。「これから上三田駅まで帰る」というと、途中まで送ろうかとの進言。丁寧に断り、御礼を言って分かれます。さて、これから安楽道じゃが、下山時刻が13時41分じゃけぇ、これから先、下りとはいえ6㎞余、15時05分発のJR便には、ちょっと間に合わんかの。

　ま、無理をせずマイペースで進もう。今日は、前回失敗した困難・未踏コースの逆送に成功。はじめて歩き通した達成感、それを味わいながら、ちょっぴり幸せな気分で歩いていきます。しばらく行ったとろで、軽トラックが追いついてきました。先ほど栃谷で話をした人らしく、「気をつけて」と声をかけてくれました。「ハイ」と短く返します。

　やがて、河津川沿線に下りて、平坦になった道路。ここもさほど交通量があるわけではないので、気楽なんじゃ。そして、作業中の河岸工事現場を通してもらったりして、上三田駅に着いたのは、15時35分。次の便の待ち時間が40分以上あります。駅舎を吹きぬける微風が、雨や汗で濡れた衣服にはちょっと寒い。

　まだ暖かいコーヒーを飲んだり、完歩祝いをしたりして紛らわします。そして、少々気分を落ち着かせて、データの書き出しをはじめました。16時19分発の広島行き列車。案外、乗客は少なめで、ゆったりと座ることができました。

🎵 ：（了）