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2018年12月29日 (土)

絵下山 八幡神社~小屋浦 ⑤

 気を緩めんようにいかにゃぁ。そう思いながら歩いていくと、山道が半分ほど崩れ030 落ちているところ。20mほどでしょうか。その崩落勾配はかなり急ですが、この道なら何とか行けそう。シダをつかみながら慎重に進みます。しかし、上側が崩落して何もなくなっているところの方が、歩きやすい。

 そこからも、張り詰めた気持ちを保って下りていきます。さらに、天地川下山口あたりがどうなっているのかも心配です。しかし、それ以降、とにかく下山口までの山道は無事でした。そこから、上流をふり返って、天地峠へのルートをチェックしてみますが、やはり通行止めになっています。

 抉れた川には、岩がゴロゴロ。上流は、ダメかの。ま、いずれそのうち、峠から歩いてみるか。そ035 んなことを思いながら、残されていた道を下りていくと、急に景色が開けてきました。下流の向こうに、新しい橋ができています。そこまで、横長にテープが張られてはいますが、どうも歩けそうには、ありません。

 そこで、右を見ると、砂防ネットが張られていました。そして、下には、いつものせせらぎ状態の天地川。そこへ続く簡易な道が造られていたので、その先に見える工事用の道路を通らせてもらおうと、下りていきます。そして、心もち遠慮しながら下流へと歩いていると、工事関係者風の3人とすれ違います。

 あいさつを交わして、「お忙しいところ、お邪魔します」と断りますが、さほど悪い反036 応でもありあません。まさか、二艘木から下りてきたとは思わないでしょうが・・・。重機などはありませんでしたから、作業は一段落しているのでしょうか。そして、さらに下りていくと、崩壊した砂防堰堤のすぐ下あたりに、ペシャンコの残骸。

 そう言えば、ここに民家があったんじゃ。そう言えば、その下には工場のような建物がありましたが、跡形もなくなって、すっかり川の形が変わっています。そこからも、空っぽの家々が点々。家屋のすぐ横に、大岩が止まったままのところも。この前、山道調査で来たときは、広島呉道路の高架下まで。

 もっと被害が大きかったのは、いま歩いてきたあたりじゃったんじゃの。やがて、黄037 色いベストを着た作業員を見かけるように。後日のテレビ報道によると、ボランティアを続けているグループらしい。まだ行方不明者が、一名いるとのこと。天地川も川底が掘り下げられていて、以前のような小さな流れに。

 やがて、小屋浦駅にたどり着いたのは13時49分。結局、「大返し」はしなかったので、14時36分発の便まで、山歩きバージョンを解除して、ゆっくりデータを書き出します。すると、女性がふたりやって来て、その内のひとりが、ここもこの辺まで水が着たと、120~30㎝のところを指差していました。

 へぇ、ここまで水に浸かったんか。知らんかったのぅ。そう言えば、なるほど、あの038 時、駅のフロアーが泥まみれになって異様な臭いがしとったのは、そのためか。それにしても、あっという間に、ふたりは過ぎ去ったので、それ以上の話を聞くこともできませんでした。まだ復興には時間がかかりそうじゃが、こうした山行も、何かのプラスになったらええなぁ。

:(了)

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