陀峯山 南大君～河内 ④

　よし、これで次のルートが決まったぜぉ。さて、ここからの下り、枝切り人の話では、崩れたところが一箇所あるとのことでしたが、彼はクルマで来とったから、たいしたことはないんじゃろ。砂の溜まったところが二箇所ほどありました。それと、沢が3つあったはずなんじゃが、チェックしたのは、離れたところにあるひとつだけ。

　見損なったのか、あるいは、土砂で埋まっとったかじゃ。そんなことを考えながらようやく、道路に出たのは、13時49分。だいぶ早いのぉ。バス通りの陀峯山登山口の石標にたどり着いたのは14時03分。河内バス停はもうちょっと先。片側にしかないけど、おそらく反対側にも止まるんじゃろ。

　そう判断して、民家横の影にある通路に入って、14時40分発のバス待ちの間、山歩きデータを書き出すことにします。そろそろ時間かという頃、バス・ストップのない側へ。ちょうどその時、そばの民家へやってきたバイク。降りてきたところで、その男性に、ここにバスが止まるのかどうか、確かめてみます。

　すると、そのあたりに間違いなく止まるとのこと。まもなくやってきたバス、それでも一応、手を上げて合図。定席が空いていたので、そこへ乗り込みます。しばらくして、後ろの乗客が降りたところで、運転手が話しかけてきました。山歩きの経験者らしい。しばし、楽しいヤマ談義になりました。

　やがてまもなく、中町桟橋へ。運転手にお礼を言って、バスを降ります。待合所で切符を買うと、この前のように到着を待つことなく、すぐに指示に従って、泊まっていた高速船に乗り込みます。データの残りを書き出しつつ、完歩祝いを飲み干し。それでもときおり、島々を眺めながら、宇品港へと向かいました。

：（了）