鬼ヶ城山 中深川～上深川 ④

　下山口まで、けっこう長く感じましたが、ここから上深川駅までも距離があります。しかし、それはまだまだ序ノ口のことでした。駅の手前から、三篠川の土手を歩くことにします。川風が吹いて、間違いなく快いのですが、何しろ気温が高くて暑い。淵で飛び込む子どもたち。やってみたい。

　しかし、いつもながら着替えも持ってきていないし、これ以上体力を消耗するもの、なんだ。橋を越えた庄原地域は、川がU字型。旧道は街並みをまっすぐ抜けるので、いっそう暑い。母の勧めにしたがって、サンオイルを準備しておいてよかった。軽火傷を負いかねない日射量。白木街道の橋を渡ると、川はΩ字型に。

　土手道は芸備線に遮られているので、河原に下りて鉄橋をくぐり、道のはっきりしない斜面を乗りあげます。確か、橋のあるところに中深川駅への通路があったはず。しかし、最初の橋ではなさそう。向こうに見える橋だろうか。ここから１㎞くらいはありそうですが、辛抱して歩きます。

　ところが、その橋にたどり着いてみると、どうも川向こうの様子が違います。西を眺めてみると、橋がもうひとつ。これはやれん。河原へ下りている石段に座って、しばし休憩することに。気分が落ち着いて、気力が回復してきたところで、目的の橋に向かいます。「もうちょっとじゃ」と自らを励ましながら。

　何とかその橋にたどり着いて、ユル坂を下りていくと、中深川駅。トイレの外にある蛇口で、顔を腕を浸します。若干の違和感はあるけど、水道水じゃろ。そして、自転車に乗って帰途につきますが、まず、駅近くの自販機で気前よく購入した炭酸水で、のどを潤します。暑いときにはこれに限る。

　それにしても、長い道程。ややうんざりしてきます。戸坂あたりで、完歩祝いを飲んだところ、少し元気になってきました。おっ、これはエネルギー不足だったのかも。さらに大芝水門あたりで、タマゴムシパンを食べると、かなり活力回復。横川のセブンイレブンで、炭酸水をもう一本購入。

　店を出るやいなや、直ちに飲みほして、気分良し。途中で思いついて、めったに行かないスーパーで、母の夕食などを買って帰ることにしました。緑橋への帰着タイムチェックのことなど、すっかり忘れていました。もはや、「覆水盆に返らず」ですが、まぁええでしょう。それにしても、中深川駅からの「安楽道」とは何処に。

：（了）