小田山 国草口から反時計回り ④
沢沿いに下りていましたが、そのうち、道のようなものもテープも、ともに見当たらなくなってしまいました。最後のテープのあった場所に引き返してみると、端切れのようなテープを巻いた低木の上に、芯が置かれていました。ここで、テープが尽きてしまったということでしょうか。はて、どうしたものか。
そうこうしている途中、目尻にクマのような模様のある、長いながいシマヘビがゆっくりと、前を通り過ぎていきます。まるで侵入者を睨みつけるような感じ。テープの周囲を探してみますが、やっぱり続きは見当たりません。それで、もう一度下りてみますが、その先は歩けそうなところはありません。
仕方ない、尾根に戻るか。上の方に目を向けてみます。すると、テープはありませんが、斜面を横切っているスジを発見。おそらく、あれはさっきのヤブ林道に違いない。とにかくあそこまで戻ってみよう。斜面を上ります。こんなときには、いつものようにサルトリイバラが邪魔をします。
何とか上りきると、やっぱり林道。ヤブっぽくても、とにかく進んでみよう。地形図をよく見ると、500mほど曲折しながらトラバースして、突出部から尾根ルートがあることになっています。これに、賭けてみることに。期待しながら歩いていくと、予想どおりピンクのリボン発見。良かった。しっかしとした山道が続いていました。
それでも、麓近くなると、シダヤブで若干、判然としなくなりますが、それでもヤブの浅いところには、道のようなもの。それを頼りに下りていくと、再びピンクのリボン。そして、ようやく、やや広い沢沿いの道に合流。そのまま歩いていくと、広いシイタケ農園に出てきました。入口はゲートで仕切られていました。
振り返ってみると、「立入禁止」の札。しかし、下りてきたものは仕方なかろぅ。そこからしばらく歩いていくと、朝上ってきた県道に合流。上のヤブ林道からは、地形図のルートどおりに下りてきたようです。それにしても、往路でこちらに来なくてよかった、「立入禁止」に引き返すところでした。
それにしても、はじめての小田山、決して歩きやすい道じゃなかったのぅ。とは言っても、久々に、ちょっとした苦境を乗り越えたような満足感。山歩きには、「ヤンヌルカナ」ということはありえないなどと、偉そうなことを思いつつ、田園風景を眺めながら県道を下りていきます。帰りの便は15時24分発でしたが、ちょうど良かった。
バス停近くの廃屋に実ったナツメ。もはや盛りを過ぎているようで、黒味がかったところも。もぎ取ってみると、甘酸っぱくてうまい。バスが来るまでの時間、近くの岩の上で温湿計をチェックしたり、山歩きデータの書き出しをはじめます。もちろん完歩祝いの一杯も忘れず。ここから、バスセンターまでは長い行路。
:(了)
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