白木山連山縦走 中島~上三田 ③
すると、その男性が「人が来たから道を空けて」と、仲間に声をかけました。間近に迫ったので、道を空けてくれるまで、ひと呼吸置きます。そのリーダーともうひとりは避けてくれたものの。あとの4人ほどはそのままの位置。こちらも、山頂まで一気に上りきろうと、集中状態になっているので、残った列の前を通ることに。
狭くて薄暗い山道。間合いを保つためには、左端を歩かざるを得ない。頭を下げながら通ると、「あ~」という雰囲気。「ひょっとして道端に何かあったのかも」と思いつつ、通り過ぎようとしたとき、突然、最後列にいた女から、上腕をわしづかみにされます。「何ですか」と振り返ると、「すみません」と言いつつ、「花を踏みました」のひと言。
「そんな大切なものがあるのなら、早々に道を空けて、その花を防御する体制をとっておくべきじゃないか」。そんな思いがあったので、冷たく「そう」とだけ返して、先へ進みます。それと気づかずに、道端の花を踏みつけたからといって、言分けするようなことでもなかろう。しかし、他人から腕をつかまれるとは。
あまりに強い刺激だったので、しばらく頭の中で尾を引きます。これがこちらの過失と言えるのか。よく分かりませんが、まぁ、もう少し大人らしい対応をした方が、良かったのかもしれません。しかし、瞬時のこと、ここでも普段の自らの小さな器量が出てくるというものです。そのまま、ふりきるようにして、一気に白木山山頂(889.6m)へ。
たどり着いたのは12時23分。その時点では、無人でしたが、南側を向いて、昼食をとっていると、数人上ってきました。中には、到着しだい、すぐに折り返す荷物なしの若者も。ご苦労なこって。いつものように、他のハイカーとの交流はなし。それにしても、白木山駅からの山頂の眺めを邪魔するは、538ピークでした。
さて、後半戦にかかるか。12時42分の出発。上三田駅16時13分の列車に間に合わせるつもりですが、そうはいっても、見当がつかないので、いつものマイペース。それでも特に、道迷いをしないように気をつけて歩きます。上三田ルート入口には、これまで気づきませんでしたが、住吉神社参拝ルートの札。
基本的には下り傾向ですが、起伏の多いルート。たいへんな修行道。まず50mくらい急斜面を滑り下ります。そして、ルートを外さないよう、テープと少し広がった樹間を探しながら、森の中を進みます。単調な歩きなので、さきほど肩をとっつかまれたトラウマが、グルグル頭の中をめぐってしまいます。
このルートは、ピークの10mほど下を巻くように進んでいるようです。農園谷ルート分岐、そして、尾根ルート分岐のあるらしきコブをチェック。大槌山までは、結構長い。以前間違えた分岐はいつのまにか通過したようで、鞍部の倒木を越えて、急坂を上り、ようやく大槌山(600.7m)に到着。ここでひと息つきます。
つづき:白木山連山縦走 中島~上三田 ④
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