失敗も多いけど たまには勘が正しいこともある
堂床山~可部冠山縦走
その登山口からすぐに、東へ入る林道の入口がありました。そのときは無関係の道と思って見過ごしましたが、後から調べてみると、明神ダムへと続いている林道。ペアハイカーが帰りに新道を歩いてみると話していたのは、このことだったのかもしれません。実は、このダムのことをすっかり忘れていたのです。
冠山から見えたのかどうかも定かではありません。確か、犬連れハイカーの、「ダムが見えるか」と話し合う声が聞こえたのですが、その方向をよく確認しませんでした。なぜかしらそのときは、関心が向かなかったのかもしれません。そのうちいつか、明神ダムを見ることを目的に、歩いてみるのもいいかもしれません。
林道入口を過ぎると、南原峡に沿って、予想外に延々と林道が続きます。実は、準備不足で、道の状態を詳しく掌握していなかったのです。ところどころ、渓谷の風景をカメラに収めたりしますが、だんだん厭きてきました。キャンプ場で、何やら食事の準備か後片付けかしている人もいましたが、こちらに振り向きもせず。
それでもようやく、明神橋の駐車場に到着。石のベンチで着替えを済ませます。すると、男性ハイカーが2人、冠山ルートを下りてきました。ここに留めているクルマに乗り込んで、帰り支度でしょうか。こちらは黙々とバス停へ向けて、もうひと歩きです。緩やかな道路ですが、南原ダムまで上ります。
はじめは、少し上らければならないスポーツセンター前ではなく、そのまま下って変電所前まで行こうかと考えていました。しかし、変電所前は道路沿いになるから、ひょっとしたら待機スペースがない可能性もある。スポセン前なら確か、座るところがあったような記憶。そこで、多少の上り坂は耐え忍ぶことにして、スポセン前停留所へ。
その上りは大したことなく、しかも記憶に違わずベンチがありました。「ラッキー!」。到着したのは15時05分、ここで次のバスが来るまで39分間、完歩祝いの一杯を飲み干して、山歩きデータの書き出しにかかります。バスの来る前に立ち上がって振り返ると、後ろは花咲くスギの木。手でハタいてみると、モヤっと煙る花粉。
時間通りに来たバスに乗って、通りを下りていくと、変電所前はかなり下。しかも、思っていたとおり、ベンチも待機スペースもありませんでした。ここまで歩いて下りると、座るところがなかったからと言って、スポセン前まで戻る気にはならなかったかもしれません。いくつかの失敗の中でも、たまには勘がいい方向に当たることもあるようです。(了)
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