はじめて山で見かけたイノシシはフンガーと吠えた
金明山・鎌倉寺山縦走
そして、山頂手前の鞍部に下りる短い急坂を、ササに掴まりながら下りていると、「フンガー」という野太い吠え声とともに、下の方を大きなイノシシが走ります。木陰に止まったのが見えたので、舌鼓(ゼッコ)で応じます。すると、もう一度、吠えてその先の方へと去っていきました。左側近くでも、何やら音が聞こえました。
それにしても、何回も山を歩いていますが、これほどまともに、イノシシの姿を見るのははじめて。以前大茶臼山で、走り去る犬くらいの大きさの黒い影を見かけたことはありますが、あれがイノシシだったかどうか、いまひとつ確信がありませんでした。昨冬迷ったあげく、シカを見かけたこの金明山では、楽しいことが多い。
鞍部から、今度は山頂への坂を上ります。急勾配を覚悟していましたが、思っていたほどハードでもなく、森の中の金明山山頂(735m)に到着。ひと息もつかず、すぐにヒノキ林へと下りていきます。そして、紅白鉄塔広場には一面の残雪。時刻をチェックすると、11時46分。これなら牛岩に下りて、昼食にしよう。
ヒノキ林の中、尾根の端まで幹に巻かれたテープがありましたが、しばらく尾根道を歩いていったところで、道らしきものがなくなってしまいました。通過するはずのヘアピン林道へ下り口もよく分からないまま。それはそれで良いとしても、612ピークへまっすぐ下りる空間を探さなければなりません。前回も確か曖昧なルートでした。
道なき尾根を歩いていると、広い林になります。一面、真っ白い雪。気味が悪いほど静かです。そして、さらに先には落ち葉の上に雪が溜まっていて、滑りやすい斜面に。横の方が高く見えてきだしたので、ひょっとしたら谷道に入ったのではと、高い方に向かってみます。するとそれは、尾根ではなくヒノキ林でした。
そのまま、下りていきます。すると、折れた低木の先に巻かれたテープを発見。そこからはテーピングが続いていました。前回は、こんなに緻密なテーピングは見つけられませんでした。それにしても、広い斜面なので迷いそうです。周囲にあまり注意をはらうことができなくなりますが、とにかくテープを頼って下りることにします。
結局、下りにおりて、九十九折れの坂から、見覚えのある谷へと出てきました。この前上ったのが谷川のすぐ向こう側にある急斜面。チョー激しい急坂でした。しかし、そこからまっすぐに下る道も、かなりの急勾配。これを上ってきたのなら、そのまま斜面を進んでも、あまり違和感がなかったかもしれません。
チョロチョロと水の流れる谷道を下りていきます。滑りそうなところですが、大腿四頭筋が疲労してきたのか、どうも左膝の伸展に力が入りません。最後の倒れた竹群の間をすり抜け、牛岩登山口へと下りてきました。今回も若干、道の不鮮明さはあったものの、何とか「無事」金明山を乗り切ったという達成感が湧きあがってきます。
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