水濡れ、泥まみれ、転倒を厭わない自然派好みか
別当山から白木山へ そして農園ルートを下る
伏流水のガレ場を過ぎると、今度は本格的な谷川がはじまります。そのほとりにある小道らしきものをたどって歩くことに。その間にもあるいくつかの小滝の急降を、勘を頼りに進みます。すると渡河を指示するのか、ときおり岸の木にテープがあるところも。向こう岸には何ら確かな目印もないのですが、道の続き具合を見て、川石を踏んで渡ります。
こういうときには、耐えられる水深に限度はあるものの、防水透湿のシューズは助かります。川沿い斜めになった小道のようなところを歩き続けていると、平衡感覚がおかしくなるのか、足元がぐらついたときに、身体を立て直したつもりでも、ふらついてしまいます。久しぶりに見かけた小さなヘビが一匹。
水しぶきのあたるガレの間をスルスルと気持ち良さそうに逃げていきます。驚くほどのことではなかったのですが、突然だったので身体が無意識に反射します。体勢を立て直そうとしたところ、重心を崩して転倒してしまいました。目の前にある谷川の冷たい水で、何度か手や顔を洗うのですが、すぐに手をつくので、また泥だらけになってしまいます。
そして、下流に進むにしたがって、まだまだ歩きやすいとは言えないのですが、ガレが小さくなってきます。それに反して、川幅が広くなってくるので、渡れるところが少なくなってきます。最後に、道が途切れた東岸から西岸に飛び込んで、さらに道らしきものを探しながら、斜面を上下しながら進み、ようやく幅広いけど荒れた林道に至りました。
ようやく安心。いつのまにか雨も上がって日が差しています。水道施設のようなところで、汗と泥だらけになった服を着替えます。そこから少し下りると住宅地に。地図をチェックしながら、駅への道、低いところへと下りて、線路との平行道に出てきます。若干早めに下りすぎたので少し上り返し、次の坂を下りて、貸し農園の前を通ります。
そこから、御木戸登山口へ向かう道が見えます。クルマの周りで帰り支度をしているハイカーの傍で、これから上らむとするハイカーも2人ほど。さすが人気の白木山。駅には、広島行列車を待つ7~8人のハイカーグループ。その中のひとりに、「農園」ルートを下りてきたことを告げましたが、地形図上の点線として認識していただけ。
それにしても、泥の急斜面を地面ごと滑ったとき、右の肘頭を打ち、擦過傷がヒリヒリ。そして、濡れた岩に足を滑らせて左側に転倒したときに、左手の母指球あたりで軽く接触したつもり。ところが、可動域に問題はないのですが、いつまでも圧痛が残っています。内出血していたようで、何と、翌日の夕方には赤いあざが。
今回の「農園」ルート。変転の激しい奇妙な天気の中、難路を歩ききったという達成感はありますが、確かに、一般的にはあまりおすすめできるコースではありません。但し、そうは言っても、とにかく下り口は約束されているので、水濡れ、泥まみれ、転倒や多少のケガを厭わない自然派のハイカーは好むかもしれません。(了)
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