満開のコバノミツバツツジを眺めながら下りる
高鉢山~長者山縦走
山また山の長い道程、針路を間違っていないかという一抹の不安も抱きながらも、ようやく長者屋敷跡にたどり着きます。この前榎ノ山垰めざして東側に下りたときも、今回この北側ルートで上ってきても不思議に思いますが、この標高600mあまりの難儀なところに本当に長者の屋敷があったのでしょうか。
長者が金に飽かせて人材をつぎ込んで、ここに屋敷を建てたのでしょうか。それにしても、ここまで資材を運んでくるのは至難の業だったに違いない。サイトで調べてみると、どうも中世に山城があったようです。なぜ「長者」なのかは定かに分かりませんが、確かに、林を切り払えば見通しは素晴らしいはず。
そんなことを考えながら水分補給、ひと息ついて長者山へと向かいます。ここからは一度通ったことがあるので、比較的気分が楽。しかも、一部に急登急降もあるものの、ここまでのルートより緩やか。612.7m三角点をチェックして、次は560mと思っていましたが、そのあたりには三角点がありません。
612.7を見落として560と勘違いしていたのかなどと考えていましたが、ここが俄かな思いつきの浅はかなところ。後から地図をチェックしてみると、560峰は地図に標高表示はあっても、三角点ではありませんでした。△マークがありません。なるほど、それなら理解できます。
その時は、三角点を見過ごしてしまうこともあるかという残念な思い。そんな気持ちで歩いていると、前方に、反射板のある長者山山頂(571m)が見えてきました。さらに何度か坂を下り上りして、ようやくたどり着きます。高鉢山方面は木が遮っていてすっきりしませんが、南北には展望が開けています。
景色を眺めながら水分補給して、ミノコージ垰をめざします。ここからが、長者屋敷跡以降で一番の急降。張りめぐらされた補助ロープに頼らざると得ないところも。そして鞍部に至ったところで、立石登山口に下りるルートを確認。ここから下りる手もあったと、浮気心がおこりますが、計画を厳守することにします。
再び坂を上り、さらに千丈岩へとよじ登ります。さすがに岩山、展望良し。ここからなら高鉢山まで見渡すことができます。ひと息ついて、ミノコージ垰へと続く長い坂を下りていると、みどり坂方面から聞こえてくる大音声。何を言っているのかよく分かりませんが、人里に近づいてきたことを感じます。
ミノコージ垰から谷道を下り、小川越えの難所を慎重に歩いて、大古場へ。目前を飛び回ってうるさいハエを追い払いながら進みます。そして、今度は尾根に沿った道に乗り上げて、道なりに下って行くと、左側の谷がだんだん深くなります。山道に美しく咲き誇っているのは、紫色のコバノミツバツツジ。
やがて、山道はみつぎ団地の西側に出ます。そして、立石川を越えてみどり坂へと上る緩やかな坂。谷まで聞こえたイベント広場らしきところの手前から、中央並木通りをスカイレール・ターミナルへと下りていきます。それにしても、坂道と交互になっている階段部分は、膝に少しばかり負担。
ターミナルでは、降車口と乗車口を間違えます。自動改札もややこしい。それでも何とか乗車して、ところどころ花で白く見える山々を眺めながらゆっくりと下りていきます。JR山陽本線の下り列車は、16時06分発にもかかわらず、15時58分に到着して待機。「そういえばこの列車」と思い出しつつ、山歩きのデータを書きとめました。(了)
参考サイト:長者屋敷跡(広島市文化財団)
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