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2013年4月20日 (土)

くたびれているけど ふれあいに癒やされる

宮島時計回り一周ハイキング

 こちらの気配を感じて、浜を跳ねて逃げるシカ、湿地から飛び立つ白鷺やツルImgp9704_editedの様子を楽しみながら進みます。浜にはシカの足跡以外に、人間の靴跡がひとり分ついています。誰か先行しているようですが、どうもハイキングシューズでありません。

 そういえば、海辺を歩き出してから、しばらくして、風が急に強くなってきました。そのせいか、身体が冷えて、鼻水が止まりません。はじめは面倒なことにティッシューペーパーを取り出して、上品に鼻をかんでいましたが、そのうちに手鼻が最適であることに気づきます。

 そうこうしているうちに、斜面の中腹あたりにあるガードレールを発見。ついに道路のあるところへとたどり着いたようです。しかし、上るには高すぎる。今度は多々良潟をめざして歩くことに。もう少し歩けば何とかなるはずと、足の痛さをこらえます。

 すでに西方向に見えるようになっている経小屋山を振り向いくと、山の端に太Imgp9710_edited陽が近づいています。今度は日没時刻との勝負に。相棒はずっと海岸を歩きたいような口ぶりですが、「日が暮れて真っ暗になったら、岩礁のある海岸は歩けんで」と説得します。

 そして、ようやく多々良潟に到着。道路に乗り上げることができました。ここで、水分補給してひと息つきます。ここからなら1時間もかからないかもと、歩を進めます。「やっぱり道路が一番歩きやすい」と、相棒も納得。街灯はないけど、日が暮れても何とかなりそう。

 歩いていると、顎ヒゲの外国人ランナーとすれ違います。相当なスピード。競技者か。どこまで走ったのか分かりませんが、しばらくすると戻ってきて、後から斜めに追い越し。その際、手を上げて挨拶して走り去りました。あれほど速く走れたら、早く帰れるだろうに、今はとてもこの足では・・・。

 やがて、ひとつめのトンネルを抜けて、網の浦の住宅地から次のトンネImgp9688_editedルにさしかかったとき、手前の側溝にもぐりこんで行く小型の動物を発見。その顔を見た相棒は、「タヌキじゃった」と主張しますが、残念ながらこちらは、顔を拝むことができなかったので、「太めの猫かも」と応じます。

 水族館前を通り過ぎて、最後の坂を上り下り。厳島神社に近づいたころには、夕暮れに。みやげ物店もほとんど閉まっています。痛い足と脚を引きずって、すでに限界を越えていると言いながらも、明かりの入った行灯を見るために少し遠回りになる町家通りを歩きます。

 街並みに続く、左右にある行灯の絵を見ながらも、スタスタと前を歩く速足の女性を追い越す元気はありません。何とか桟橋に到着したのは、19時前。幸いなことに、あまり待つこともImgp9722_editedなくフェリーが入ってきました。すでに帰りの観光客も少なくなったころ、暖かい場所に座ることができました。

 宮島口では、駅に着いたとたん上り列車が到着。走っても微妙なところなので、次の便を待つことにしました。少し時間ができたので、相棒が欲していた「揚げモミジ饅頭」を買って、そばに立っていたフランス女性のおしゃべりの「音」を聞きながら食べることに。

 饅頭を売っていた店の人に、宮島を一周してきたことを話すと、一応讃えてくれましたが、何か実感のこもらない言い方。しかし、それもさもありなむ。今日のような悲惨なコースを歩くようなハイカーは、そうはおらんでしょう。楽しかったけど、今は当分ご免こうむりたい気分。(了)

追伸:宮島一周したからって自慢してるんじゃねぇぞ

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