山の向こうも山だろかの心配は長者屋敷跡まで
岩滝山~呉娑々宇山~長者山(長者屋敷跡)縦走
体調不良のためミノコージ垰でリタイアするという最悪の想定パターンに至ることもなく、次に進みます。鉄塔ピークに向かう坂はこれまでにない急登。上りきってコブを過ぎると、眺めの良い千丈岩。さらに南側登山道からの合流点があったはずの鞍部を抜けて、長者山山頂に至る道も急登です。
ためらわずロープを掴んで上った山頂(571m)からの眺めも良好。ここで少しばかり、コースを歩いたという達成感を感じてしまいますが、実は、これが大間違い。そこからは、行けども行けども次の山。限りなく東へと進んでしまうのではと心配になるほど。
「山の向こうも山だろうか」と、むかし聞いたことのある確か『石北垰』という演歌の一節を、つい口ずさんでしまいます。でも、大音声ではありません。これで終りか、これで終りかと思いながら、ようやく最後にたどり着いたのは、長者屋敷跡。
この名称は記憶にありました。広いコブの上はまばらな林。本当にここに屋敷があったのでしょうか。確かに展望は良かったに違いない。でも、辺鄙な場所です。果たして、長者様がこんなところに住んでいたのでしょうか。別荘でしょうか。
やがて、榎ノ山垰へ向かって下りはじめるにしたがって、「長者」という言葉は、反語だったのではないかと思うようになります。それほど急坂。あるサイトでは、「四つん這いになって上った」とあったので、前を向いて下りることができるのか心配していました。
何とか、烏帽子岩山のような屹立した岩道ではなかった のですが、とにかく急斜面。疲れた足にはキツイ。120mほど下りて、また516mのコブに上ります。さらにそこから、いくらか和らぎますが、ところどころ滑りそうな長いながい坂道を下りていきます。
前途に見える東中倉山が高く聳えています。長者山山頂時点では、まだ気持ちに余裕がありましたが、その後続いた山また山の試練。時刻も時刻。これから上るほどの元気は残っていません。早々に諦めることにします。
榎ノ山垰から瀬野駅まで道程。覚悟はしてい ましたが、これもまた長い。長者山から東に歩いた分だけ戻らなくてはなりません。幸いなことに、狭い道路を通る自動車は、物好きな歩行者に優しく、ゆっくりと進んでくれます。
途中で、西側の山の中腹あたりに白い人工物が一列に並ぶ不思議な光景を目にします。みどり坂の住宅群の屋根でしょうか。まさに、天空都市の様相。それにしても、どういうわけか、山中ではすっかり治まっていたのに、里を歩きだした塗炭、喉がむずがゆくなってきました。
駅に近づいて、中倉神社へ向かうときに通った路地をチェックしながら歩きます。線路沿いに至ったところで、下り列車が接近。山陽本線だから何とかなるだろうと、焦って走ったりせず、1本やり過ごして、データ整理の時間を確保することに。(了)
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