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2012年11月10日 (土)

嗚呼無情 長年使い親しんだ腕時計を紛失

高鉢山~安駄山縦走

 この道で大丈夫だろうと、だんだん確信が深まってきました。そして、Imgp8520_edited 地図とコンパスでのチェックを止めて、歩くことに専念します。やがて、たどり着いた鞍部の分岐に、「安駄山へ」の案内板を発見。まだほんの少し残っていた不安が、ここで一気に吹っ飛びました。

 この鞍部(564m)から、安駄山へ向けての上りがはじまります。しばらく歩くと、先に空が見えたので、楽勝と思っていましたが、それはコブ。さらにもうひとつコブを越えて、そこから安駄山山頂(735.3m)への道は、下りるときの大変さを予期させる、かなりの急登が続きます。

 まさに、「何とか上りきる」といImgp8521_edited う表現がぴったり。しかし、苦労して上った甲斐もなく山頂からの展望はありません。林の間からまばらに景色が見える程度。それでも、東西に長い山頂は歩くと気持ちが良い。紅葉したヤツデが敷き詰められているところも。

 しかし、実はそこからの下りが、最も険しいルートでした。しばらく続く尾根の道は、急坂の上、落ち葉が溜まって滑りやすい。慎重にゆっくり、ゆっくりと歩を進めざるを得ない。木々につかまりながら何とか下りて行きます。それでも途中で何度か転倒。

 ようやく、鞍部に下りたところにある分岐から鳥井原ルートに入りなむとしたところImgp8523_edited、何時かなと思って左腕を上げてみると、何とあるべき腕時計がないではないですか。あの大滑りをしたときに落としたに違いないと、時を置かず覚悟を決めて戻ってみます。

 苦労した下りも、上ってみるとそうでもない。し かし、またすぐに再びこの道を下りにゃぁならんことを考えると、やや気が重い。しかも、落ち葉が溜まっていて、薄暗いので、時計は見つかりそうにない。滑った跡の残っているあたりまで戻ってみましたが、結局見当たりませんでした。

 分岐に戻りながら、高鉢山ピストンの戻り際に何となく左手が軽くなったような気がしたが、あの時すでに落としていたのか。いや、高鉢槍で昼飯を食べたときには、時計で時刻をチェックしたような気がするなどと、朦朧とした記憶を反芻してみますImgp8524_edited

 それにしても、まったく無自覚のうちにこの手から離れていくなんて・・・。かなり長く使ってきましたが、故障したこともなく、まだしばらく使えそうだったのに惜しいことをしました。残念ですが、仕方ない。ハイキングプアにとっては重荷ですが、新しい時計に替えるチャンスと、気分を切り替えることに・・・。

つづき:疲れた身体と心に塩が擦りこまれるガレ急坂

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