小さな親切 大きなお世話
二艘木から市光山(438m)まで、小屋浦展望所からのトラバースを過ぎるとずっと上り、それにしても、地図の感覚より長く感じます。山頂からはトラバースする峰伝いの道。コブが2つあります。そして、子の岳(504m)への急登。そこから、50mほど急坂を下って、一気に100m以上の急登を上ると絵下山展望所にたどり着きます。
道中は独歩、例の小屋浦ハイカーだけでなく、誰ひとりとして会いませんでした。ようやく絵下山の林道へ上りきる直前に2組のハイカーに出会います。この人たちとは、挨拶のみのすれ違い。北側の展望所をやり過ごして、南側の展望所へ向かいます。以前3つあった電波塔はデジタルに一本化したようで、すっきりしています。
南側には、どういうわけか、来るたびにいつもパーティが休んでいます。、今回も5・6人のハイカーがいました。挨拶を返してくれたので、その中の男性に話しかけます。何やら、それぞれ別ルートで上って、この展望所で待ち合わせをしたようです。本格的な昼食準備をしているようなので、北側へと戻ります。
ここには、ハイカーが三々五々。犬を散歩させている2人連れがいましたが、山歩きの服装ではないので、おそらく自動車で林道を上がってきたのでしょう。昼食をリュックから引っ張り出していると、2人組みの女性ハイカーがあらぬ方向(西側)へ下りようとするので、どこへ下りるのか行く先を聞いてみます。
すると、子の岳へのルートに出るらしい。来るときにそんな分岐があったかどうか定かに覚えていませんが、いつか通ってみたいものです。その話の中で、すぐとなりのベンチで食事をとっていたハイカーが、今回はじめて絵下山に上ったけど、「坂」へ下りるにはどう行けばいいのだろうと言い出しました。
わが意を得たりとばかり、明神山ルートを、持っていた地図を示しながら、前々回の苦労話も交えて話します。そして、もっとも近い明神山への下山口は、子の岳からの山道が林道に乗り上げたところにあると得々と説明。聞いてみると、この人が例の小屋浦ハイカーでした。絵下山山頂が別にあることも知らなかったので、道を教えます。
昼食を済ませて、山頂へと先発することに。林道へ出てみると明神山下山口は、子の岳口にあるのではなく、10mほど北側にズレていました。小屋浦ハイカーには、山頂への往復で会うかもしれないから、そのときに言おうと算段。林道を下りて近道の急登を上ると、山頂(593m)の岩の上に先客が2人いました。挨拶して、灰が峰や野呂山を眺めながら、靄がかかっている話をします。
小屋浦ハイカーには途中では会いませんでした。下りるときは遊歩道を通ったので、すれ違っていたのなら仕方ない、山歩きは自己責任と言い聞かせながら、林道を引き返してみると、そのハイカーが、ちょうどいま休憩所からの階段を下りかけていました。それにしても遅い。今にも出かけそうだったのに、犬の散歩していた人たちと話しこんだのかもしれません。
その人が下りてくるのを少し待って、明神山下山口の位置を訂正して、絵下山山頂へのアクセスをやや詳しく説明しておきました。間違った情報を提供してしまった以上、可能であれば訂正しておきたいと思ったのですが、ひょっとすると余計なお世話だったかもしれません。ちょっとしたことなのですが、少し待ったことが、自らの行動に「余計な」という感じを抱かせたのに違いない。
つづき:矢野下山口から隠れ道を歩く
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