タムシバ咲くあの丸山 やまなみの春

　火山から丸山方面を眺めると、山肌のところどころに何やら白いものが見えます。はじめは露出した岩が白く見えているのだろうとあまり気にとめていなかったのですが、だんだん丸山に近づいていくと、木に白い花がいっぱい咲く美しい光景が広がってきます。どんな花だろう。山道の近くにようやく見つけた木には、ハクモクレンのような花が開いていました。   

　北国の春、丘に咲く「コブシ」によく似た「タムシバ」という木のようです。コブシには、花の下に小さな葉が生えているのが特徴ですが、写真で確認するとそれは見えないので、タムシバでしょう。古田山、鈴が峯の山腹でも見かけました。なぜ昨年の春は気づかなかったのか不思議です。

　己斐垰から柚木城山上り口を歩いていると、コンコンコンと木をたたく音が聞こえます。目を凝らしてみると、居ました、居ました。鳥が枝をつついています。遠くて見えにくいのですが、地味な色合いでスズメを少し大きくしたような姿、コゲラかもしれません。ギィギィと鳴くそうですが、それは聞こえませんでした。残念！

　春になったばかりというのに舞っている蝶を見かけました。そういえば、前回柚木城山山頂で、羽を広げてじっとしている蝶が・・・。この前まで雪が降ったりしていたのですから、まさか卵から成長して蝶なる時間はないでしょう。見かけたのは、山ではよく見かける「ヒオドシチョウ」。成虫のまま、落ち葉の中で越冬するそうです。

　新井口駅到着は午後４時、所要時間は６時間５０分でした。地形的には、海方面へ向かうコースですから若干早くなるかと思ってたのですが、どうもそうでもない。今回は、写真を撮りすぎたり、鬼ヶ城山で少し油を売ったり、下山時に着替えたりで、手間を取られたせいでしょうか。ひょっとしたら、同じ坂を歩くとしても、下りの方が時間がかかるのかもしれません。（了）