あぶら売り山歩き ㊦
大茶臼山・展望岩で、犬と一緒の2人組みのハイカーに出会います。初めてのようで、いろいろ聞いてくるので、ここでも話が盛り上がります。小茶臼山から、はるかに霞む鈴が峯、その手前の鬼ヶ城山を指差して案内します。そして三滝山も。その話の中で、武田山をめざす女性2人組みのハイカーが先行したことを聞きます。
この展望岩で、昼食をと思っていたのですが、あぶらを売りすぎたので、何となく食べにくくなってしまいました。それでは丸山山頂で、と思って歩きはじめます。ところが丸山についてみると、女性の話し声が聞こえてくるではありませんか。まさか例の縦走ハイカーではと思いつつ、挨拶のあと一息休憩して、たずねてみると、大当たり。
武田山からの半縦走コースは歩いたことがあるけど、逆コースははじめてらしい。しかも、大茶臼山から上ってきたそうです。「案内してもらえませんか」との「お願い」。武田山への丁字路に気をつけさえすれば、後は道なりに歩けば大丈夫と切り返しておきました。こちらは体力の限界に接近する全縦走中、速度を合わせて歩く余裕はありませんから、無~理ィ。
そんなことで、ここでも昼食を食べ損ねました。仕方なく少し先の岩場でと思っていたのですが、その2人は、こちらの出発に次いで歩く準備をはじめました。同行を退けた以上、かなり先まで歩いてからでないと、昼飯は食えない。またもスピードアップ。しばらくの間、背後から女性の声が響いていましたが、「幸いなこと」にいつの間にか聞こえなくなりました。
午前中ほどの空腹感はなくなりましたが、何も食べないでいると、何かァ変なァ感じィ・・・。そこで観音山北端の岩場で、火山と武田山を眺めながら、そそくさと握り飯をひとつ食べます。さらに火山山頂で、残りを食べて、遅くはなりましたが、なんとか2時前には昼食を終えることができました。
火山には関西弁のカップルがいました。ふたりの世界に入っていたので、油は売ることはなかったのですが、出発の挨拶をすると、貴族的な風貌の女性から、「これからタケダヤマへ行くんですか?」という問いかけがありました。それに応えながらも、柔らかいアクセントが印象に残りました。
武田山からカガラ山へ黙々と歩きます。阿武山北側の坂がかなり急と思っていましたが、吹き通し口へのルートにもところどころ、同じくらいの急勾配があります。但し、木の根などで階段が造られているので、雪があったとしてもまだ、ここの方が歩きやすいのかもしれません。
このたびは、山頂で何回もあぶらを売ってしまいました。その内容を省みてみると、必ず全縦走の「自慢話」を挟み込んでいます。鼻高々になっている自分が恥ずかしい。確かに、ハイカーにしか理解してもらえないことなのですが、できれば次回からは、寡黙に休むことにしたい。しかし、あぶら売りで少しずつ休息できたためか、足の調子は比較的良好でした。(了)
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