野生のキノコには手を出さない方が
ときどき、山や公園で見かけるキノコの中には、「これは食べられるのでは」と思えるようなものに出会うことがあります。もっとも、キノコ素人ですから、市販されているもの以外は食べたことはありませんが、色や形でだけで判断することは危険なようです。
『京都新聞』5月25日付に「ニセクロハツの強毒原因物質を解明 “謎の毒キノコ”京薬大准教授ら」という記事がありました。ニセクロハツというキノコも、写真を見るかぎり地味で、毒々しい派手な色ではないところが恐ろしい。
中毒死が近年続いたキノコ、ニセクロハツの毒物を、橋本貴美子京都薬科大准教授、中田雅也慶応大教授らの研究グループが突き止め、強毒性を確認した。ニセクロハツが生えるツブラジイ(コジイ)の林は京滋に多く、注意を求めている。英科学誌「ネイチャーケミカルバイオロジー」で24日に発表した。
ニセクロハツ中毒は2005年から07年にかけて大阪、愛知、宮崎などで報告された。手足のしびれや筋肉硬直、心不全、腎臓などの臓器不全を引き起こすが、原因物質は不明で「謎の毒キノコ」とされていた。
橋本准教授らは、キノコを浸した水をそのまま分析するなど化学反応しないよう工夫した。中毒を引き起こすのが「シクロプロペンカルボン酸(C4H4O2)」であることが分かった。生物が作る毒物でこれほど小分子の有機物はないという。
マウスにこの毒物を投与すると、身体を動かす骨格筋の組織が溶けるとともに、その溶解物が臓器を障害することが分かった。極めて少量でマウスは死んだ。人だとキノコ2、3本で致死量という。
東山など京都盆地周辺では、ツブラジイを含むシイ林が拡大している。橋本准教授は「ニセクロハツは暑い夏に目立って発生するので注意してほしい」と話している。
【ニセクロハツ】 灰褐色のキノコで猛毒。ツブラジイ(コジイ)の根元で7月末から8月にかけて生えることが多い。食べられるクロハツと区別が難しく、日本で7件の中毒例が報告されている。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009052500036&genre=G1&area=K00
「シクロプロペンカルボン酸」という物質が骨格筋の組織を溶かして、その溶解物が臓器を障害ことになるらしい。2・3本がヒトの致死量ですと。やっぱり、自生しているキノコなどには、素人がうっかり手を出さないのが、一番安全なようです。
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